どうも、所長のまっさんです^^
今回は教え子から文理選択についての質問がありましたので僕からアドバイスできることを紹介したいと思います。
文理選択とは
まず、文理選択とはなにかです。
普通の進学高校だと概ね2年生に進学する時点で文系コースと理系コースにわかれて勉強することになります。
何故そのようにわけるの?
一般的に大学入試を受ける際は、進む大学の学部によって入試科目が制限されます。
例えば、工学部で機械について学びたい学生さんは入試の際、個別試験において「数学」「英語」「物理」「化学」の内容を問われる場合が多いです。
一方で、文学部でイタリアの作品を勉強したいという学生さんは、個別試験では「英語」「国語」「世界史」などの試験を受けることになります。
つまりもし将来なりたい職業がすでに決まっていて、志望大学・学部が決まっている状態なら、その大学が要求してくる科目を勉強して入試に臨まなければいけないため、それらが学べるコースを選択する必要があります。
全科目やるわけにはいかないの?
日本の入試における競争が激化して、ゆったりと全教科を学びながら興味が沸いた科目をたくさん勉強して、その結果得意になった科目で大学入試に挑むということができなくなりました。
なるべく偏差値の高い大学に合格する為に必要な科目だけに絞って学習することで、選択科目をより完成度の高い状態にして入試に臨めるように。
高校三年間で学ぶ量というのは膨大です。
昔より休日が増えた影響で学校の授業の時間数が減るなか、大学進学競争も激しくなり、そのようなコース分けが必要となるのは悲しい現実ですが、理系コースを選んだ僕は社会大嫌いだったので勉強しなくていいのは助かりました。
文系理系の違い
では、具体的に文系と理系ではどのような違いがあるのか。
一番の違いは「理系は理科2つ社会1つで、文系は理科1つ社会2つ」ということです。
それともうひとつ、文系の学生さんは数学において「ⅠA」「ⅡB」のみの学習で終了し、理系の学生さんが学ぶ「Ⅲ」の範囲は履修しなくてもいいというところです。
サブ科目について
文系理系で必要数の違うサブ科目ですが、それぞれをもう少し詳しく解説します。
理科
入試で必要な「理科」の科目には、「物理」「化学」「生物」「地学」「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の8つの科目があります。
「〇〇基礎」となっている科目はそのまま〇〇の基礎という位置づけです。
理学部、工学部、医学部といった理系の学部では「理科」の試験で「物理」「化学」「生物」「地学」の中から2つを選択して受ける条件になっていることが多いです。
そのため文理選択で理系を選んだ学生さんはこの4つの中からさらにメインで学習する2つを選ぶことになります。(「地学」に関しては受講者の関係で選択肢にいれていない高校が多い)
文学部、法学部、国際学部などの文系の学部の個別試験では「理科」を求められることはほとんどありませんが、センター試験において学力をみられることはあります。
センター試験で文系の学生さんが理科の科目を選ぶ際は、「物理」「化学」「生物」「地学」といった100点満点の科目から1つ選んでもいいのですが、難易度を考えて「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の3つの50点満点科目の中から2つを選んで解くことになります。
そのため、ほとんどの進学校の文系コースでは「〇〇基礎」の中から2つを選択履修することになっています。
社会
入試での分類は、「世界史A」「日本史A」「地理A」「世界史B」「日本史B」「地理B」の6つの地歴分野と、「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理・政治・経済」の4つの公民分野の合わせて10科目もあります。
進学校理系コースの学生さんは「世界史B」「日本史B」「地理B」の3つから1つを選択します。
理系の学生さんは個別試験で社会の試験を要求されない場合が多いのですが、センター試験の科目で「〇〇A」ではなくて「〇〇B」の科目を条件に課している大学が多いからです。
加えて公民分野の「現代社会」に関しては1年生で履修してしまうことが多いですね。
文系コースの学生さんは「世界史B」「日本史B」「地理B」の3つの中から2つを選択して履修することになります。
公民分野を1年生で履修してしまうのは文理分け前のことなので、理系の学生さんと同じです。
文系・理系どっちがいい?
正しい選択の仕方
将来なりたい職業が明確に見えているならそこから逆算して行きたい大学・行きたい学部を決めて、受験資格を満たせるコースを選べば問題ないでしょうし、それが正しい選択の仕方だと思います。
ただ、文理選択を迫られる1年生の秋冬にそこまで明確に将来のビジョンを確立できている学生さんは少ないと思います。
ついこないだ高校受験が終わったばかりで大学進学のことなんかまだまだ頭にないって学生さんも多いでしょう(笑)
でもこのタイミングが大学入試、自分の将来へのターニングポイントとなるのは明らかです。
僕の教え子にも、この文理選択を間違って大変な思いをした子が少なからずいます。
例えば、数学の先生になりたいと中学生の頃から漠然と考えていた子は、「教師=教育学部=文系」という誤った知識をもとに文系コースを選んでしまったのですが、数学の先生になるための学部は理系コースの学生さんに有利な条件の大学が多かったのです。
結局、文系からでも入学できてなおかつ大学2回生の時点で数学教師コースに入れる新潟大学に無事合格することができましたが、理系コースを選択していればもう少し選択肢も増えたと思います。
ですのでこのタイミングで目をそらさず、人生初となるかもしれませんが一度自分の将来のビジョンについて考えてみるいい機会ととらえるようにしてみましょう^^
どちみちいつかは考えないといけないことですので。
誤った選択の仕方
昔から理系の方が文系よりも頭がいいみたいなことってよくいわれるのですが、まったくもってズレてます。
それゆえ1年生の時点で成績がいいから理系に行くというのも。
理系の偏差値50の大学に行く人と、文系の偏差値70の大学行く人どっちが俗にいう頭がいい人ですか?って話です。
学習内容についてもですが、数学嫌いだから文系に行くとか、覚えることが少なくて済みそうだから理系に進むとかっていうのも完全におかしな話です。
どこまで消極的なんだと(笑)
そもそもそんなに勉強が嫌なら高校やめて働けばいいやないか、、、。
別にわるいことでもなんでもないし、気が向かないことを嫌々やっててもなんも楽しいこともないし!
理系に進もうが文系に進もうが、より高みを目指して受験勉強をするなら結局死に物狂いで勉強する必要はあります。
それなら、苦手を避けて選ばざるを得なかった残り物よりも、自分がこれにしよう!って積極的に選んだものの方が熱も入れやすいですよね^^
文系でも数学は力を入れるべきですし、理系でもがっつり暗記すべき知識は腐るほどあります。
科目別詳細
文理選択が決まっても、その後さらにどの科目を選択するかが残っています。
科目選択も文理選択以上に悩ましいところですが、しっかりと自分で決断をしましょう。
どれを選択すればいいのか、ネットで探せばいろんな人が様々違うことを叫んでいます。
正解のないことですから。
人によって状況が違うので、自分に合ったものを選択するのが大事で、間違っても友達と一緒がいいとか、みんながそうしてるからとかでは選ばないようにしてくださいね!
理系の学生さん
理科に関しては「物理」「化学」か、「化学」「生物」かの2択になるかと思うので、「物理」か「生物」かを考えましょう。
理系の学部の多くは将来モノづくり・エンジニアになる為のものが多いです。
そちらに進むなら「物理」。
医学部や農学部、理学部でバイオテクノロジーに関する研究をしたいなら「生物」を選択すればいいと思います。
生物は物理に比べれば覚えることが多いですが、興味があれば苦にならないはずです。
社会の選択ですが、理系の学生さんにとって大学合格だけを目標に考えればなかなか時間をとれない場合が多いと思います。
そうなると、圧倒的に勉強時間が少なくて済む「地理」1択になるのですが、「勉強時間が少なくて済む=高得点が期待できる」ではないことに気を付けてください。
「地理」は少ない勉強時間、或いは全く勉強しなくてもある程度の点数がとれる科目ですが、逆に「世界史」「日本史」は時間はかかるけどやったらやっただけ点数が伸びて9割、満点も狙える科目になります。
医学部を受験するような学生さん、難関大志望でセンター9割を目指す学生さんで、数学、理科、英語の主要科目をマスターしていて、サブ科目にしっかり時間を確保できるようであれば「世界史」「日本史」の選択肢も出てきます。
覚えるべき知識量は理系科目の比ではないので、覚悟が必要ですけど努力は裏切りません!
文系の学生さん
理科の選択に関してはどれをとっても似たり寄ったりです。
理系の学生さんにとっての社会とは違って、文系の学生さんにとっての理科は基礎科目という選択肢があるので難易度はかなり低くなるからです。
1年生の時に物理にアレルギー反応を起こす学生さんが多いと思いますので、無難に「生物基礎」「化学基礎」「地学基礎」から2つ好きなのを選びましょう。
毎年、理科の科目選択をミスったと嘆いている文系の学生さんを見ますが、どの子も勉強してないのを棚に上げて選択ミスのせいにしたいだけです(笑)
それほど理科基礎の難易度は低く、どれを選んでも多少勉強すれば満点も狙える科目になっています。
実際の例を挙げますと、理系で物理も化学も20点くらいしか取れなかった子が、文転して物理基礎と化学基礎に変更したとたん2か月後のセンター試験で9割以上の得点をたたき出しました。
一方で社会の選択は慎重に考えるべきでしょう。
「世界史」「日本史」に関しては先ほども触れたように相当な勉強量を必要とします。
そのため定番の選択肢は「世界史」+「地理」とか「日本史」+「地理」とかになりますが、「世界史」+「日本史」のセットも悪くはありません。
暗記が得意で歴史を学ぶことが好きならば二つともかなりの高得点がとれるでしょう。
あと、「世界史」か「日本史」か迷って、カタカナは覚えにくいから「日本史」を選択するというのは安易なミスです。
覚える語句の量だけみると「世界史」よりも「日本史」の方が多いです。
ここでも消極的な選択は不幸な結果に繋がりますね^^;
公民を選択する場合ですが、こちらは志望校の受験科目をよくチェックしておかないと条件漏れしてしまう危険性があります。
まとめ
以上、文理選択の参考になれば幸いです。
大事なのはどれを選択したとしてもその後の勉強であるということ!
それは戦略的な逃げの選択であってもです!
上でも少し触れましたが、点数が低い理由を選択ミスのせいにしないでください(笑)
違う科目を選択した友達が楽に点数取ってるように見えても、しっかり努力してのことです。
努力しない人が同じ科目を選択してもそれだけで点数はとれませんから!
興味を持って、その道のプロになるつもりでいろんな知識をゲットしてくださいね^^
ではでは^^ノ
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